チェンバロはどんな楽器?

チェンバロの名称は国によって呼び方が違う

ドイツ語ではチェンバロ(cembalo)、英語ではハープシコード(harpsichord)、フランス語ではクラヴサン(clavecin)と呼ばれています。またオランダではクラヴィシンボル(klavecimbel)と呼ばれていました。
一般的にはグランド方の形をしていますが、ヴァージナルやスピネットなどの小型のチェンバロもあります。

音が出る仕組み

チェンバロは發弦楽器で、鍵盤の奥にジャックとよばれる木の部品が設置されており、鍵を押すことによってジャックが上がり、その先にに取り付けられたプレクトラと呼ばれる小さなプラスチック(又は鳥の羽軸)で弦を弾いて音を出します。
またジャック上部のプレクトラの横にダンパーが取り付けられており、指を鍵盤から話すとジャックが下りてダンパーが弦の振動を止めます。

音域

グランド型のチェンバロの音域は約5オクターブのものが多く、製作された国や年代によって音域や最低音、最高音も変わります。

チェンバロの音色や弾き方

ピアノのように打鍵の強さで音の大きさを変えるのではなく、繊細なタッチや運指法を使って音色を変えながらニュアンスをつけていきます。とてもよく響く構造をしており、鈴の音や、鳥のさえずりのように優しく美しい音を響かせることが出来ます。またリュートのような音を出す装置が内蔵されているチェンバロもあります。

歴史と特徴

バッハやヘンデルが生きていたバロック時代や前古典派の時代には沢山のチェンバロ曲が作曲されました。初期バロックの頃には宮廷舞踏としてダンスを踊れるものが多く、バロック時代にはドラマティックなスタイルの曲が、フラン・スロココの時代には軽やかで繊細優美な曲が流行りました。

楽器のお手入れ

演奏者が自分自身で調律をし、急激な気候の変化に注意してメンテナンスをします。
湿度は年間を通して50%前後になるように管理をします。